気になる症状を見逃さないで
猫の症状と治療

猫の症状や疑われる病気をご紹介します。当てはまる場合は、お早めにご来院ください。

耳のかゆみ、におい、耳あか

具体的な症状

耳の周辺を掻きむしる。
耳が汚れている、腫れている、赤みがあるなど。

疑われる病気

マラセチア性外耳炎、細菌性外耳炎、耳道内異物、耳道内腫瘍(耳垢腺癌、耳垢腺腫など)、ミミヒゼンダニ感染症、中耳炎など

治療方法

外耳炎の場合は、洗浄と点耳薬が基本的な治療です。アレルギー疾患などの基礎疾患がある場合は、その治療も同時に行う必要があります。
ミミヒゼンダニなどの寄生虫が認められる場合は、駆虫を行います。
草むらなどに顔を入れた後から急に耳を気にする場合は、耳道内に異物があることが疑われます。耳道内異物は耳道内視鏡下で摘出します。
耳道内腫瘤が認められる場合は、耳道内視鏡などを用いて組織生検を行い、結果に基づき外科切除を行います。

具体的な症例

以下のタイトルをクリックすると「症例」をご覧いただけます。

涙、目やに、涙やけ、充血

具体的な症状

涙が多い。白目が充血している。目をかゆがる。涙やけがひどい。
まぶしそうに目を細める。

疑われる病気

緑内障、ぶどう膜炎、角膜潰瘍、結膜炎、鼻涙管狭窄、異所性睫毛、猫ウイルス性鼻気管炎(猫風邪)

治療方法

目が痛くなると、まぶしそうに目を細める「羞明(しゅうめい)」という仕草をします。
目をかゆがったり眼脂(目やに)が多い場合は、結膜炎(アレルギー性、ウイルス性、細菌性など)が疑われます。
涙が目からこぼれ落ちてできる「涙やけ」がひどい場合は、鼻涙管狭窄も疑われます。
点眼、鼻涙管洗浄、睫毛抜去などの治療を行います。

具体的な症例

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鼻汁、くしゃみ、鼻づまり、鼻血

具体的な症状

くしゃみをよくする。鼻水が垂れている。鼻の周りに鼻水が固まっている。鼻血が出る。
息苦しそうに口を開けて呼吸をする。鼻水が絡んだようにズルズルと音を立てて呼吸をする。
いびきがひどい。ウトウトしても、すぐに起きる。
目の間やおでこが膨れている。

疑われる病気

鼻腔内腫瘍、慢性鼻炎(細菌性、真菌性、ウイルス性、アレルギー性)、急性鼻炎、鼻咽頭狭窄、猫ウイルス性鼻気管炎(猫風邪)

治療方法

鼻炎症状や鼻血は鼻の中の病気(鼻腔内疾患)が疑われます。
呼吸が苦しくなると、一生懸命に息を吸うことで食道が拡張してうまく飲み込めなくなり、食道に溜まった食べ物や唾液などの液体が吐出する(食べ物が胃に入る前に吐き出されること)場合があります。
内視鏡などを用いた組織生検を行い、それぞれの病気に対し手術や投薬治療(点鼻薬や内服薬の投与、吸入治療)を行います。

具体的な症例

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口臭がある、歯の異常

具体的な症状

口や息が臭い。
歯ぐきに腫れや赤み、出血がある。
歯がぐらついている、歯が抜ける。
食事が食べづらそう。
目の下が腫れている。

疑われる病気

歯周病(歯肉炎、歯周炎)、口内炎、口腔内腫瘍(メラノーマ、エプーリス(歯肉腫)、線維肉腫、扁平上皮がんなど)など

治療方法

口臭や歯周病などは、歯石除去(スケーリング)で解消することがあります。
症状が進んでいる場合は、抜歯や外科切除なども考えられます。

具体的な症例

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咳をする、息が苦しそう

具体的な症状

よく咳をしている。咳が続く。
苦しそうに息をしている。

疑われる病気

肺炎、肺腫瘍、気管支炎、気管内腫瘍、気管内異物、喉頭麻痺、喉頭炎、喉頭腫瘍など

治療方法

咳をする場合、肺炎などの肺疾患、気管支炎などの気管の疾患、喉頭(喉)の疾患が考えられます。
感染症や異物、腫瘍、構造的な疾患など様々な原因も考えられます。
肺炎や喉頭の腫れ、喉頭麻痺、気管内異物などでは呼吸困難になる可能性もあります。
咳は気づきにくい場合や見逃されることも多いため、注意が必要です。
疾患により、手術や内服薬、吸入薬投与など様々な治療方法が考えられます。

具体的な症例

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嘔吐、下痢、食欲不振、誤飲誤食

具体的な症状

頻繁に吐く。吐瀉物に血が混じっている。食欲はあるのに吐く。
軟便、下痢。便に血がついている。
何度も排便姿勢を取る。少量で何度も排便する。
おなかが痛そう。ジッとして震えている。

治療方法

様々な疾患で「嘔吐、下痢、ご飯を食べない、食べが悪い」などの症状がみられます。
肝臓が悪い場合は黄疸がみられたり、腎臓が悪い場合は尿に異常がみられたり、他の症状と同時にみられることもあります。
消化器疾患の場合、いわゆる“お腹をこわした”場合や重篤な疾患でも同じ様な症状がみられることも多く、内視鏡検査が必要な場合もあります。
誤飲による胃内異物の場合は内視鏡下での摘出も可能です。

疑われる病気

急性胃腸炎、慢性胃腸炎、消化管内寄生虫、胃内異物、小腸内異物、食道内異物、急性大腸炎、慢性大腸炎、腫瘍など

具体的な症例

足を痛がる、歩き方がおかしい

具体的な症状

歩き方がおかしい。脚を上げている。足を舐める。脚を引きずる。爪が斜めに削れている。歩く時に爪が擦れる音がする。散歩に行きたがらない。歩き始めがおかしい。

治療方法

四肢の痛みの場合は、足を地面に着かずに歩いたり、かばって歩くことが多くみられます。
痛みにより動かず、震えている場合もあります。
レントゲン検査などで骨や靭帯の異常について確認し、手術などの外科治療や、痛み止めなどによる内科治療を行います。
神経の病気が疑われる場合は、MRI検査などをご提案することもあります。

疑われる病気

骨折、脱臼(膝蓋骨脱臼、股関節脱臼など)、捻挫、慢性関節炎、靭帯断裂(前十字靭帯断裂など)、打撲など

具体的な症例

動きたがらない、ぐったりしている

具体的な症状

動きたがらない。疲れやすい。ぐったりしている。
急に姿勢を保てなくなる。
意識を失う。失神する。

疑われる病気

不整脈、僧帽弁閉鎖不全症、肺高血圧症、肥大型心筋症、拡張型心筋症、大動脈弁狭窄症、心タンポナーデ、後大静脈症候群、動脈管遺残など

治療方法

様々な原因が考えられるため、検査などによって病気を確定診断した後、外科手術や薬による内科的治療を行います。

具体的な症例

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けいれん発作、麻痺

具体的な症状

四肢が突っ張り身体全体でけいれんする。身体の一部がけいれんする。
思うように身体が動かせていない。後ろ脚を引きずる。

疑われる病気

脳腫瘍、脳炎、脳梗塞、特発性てんかん、脊髄腫瘍、脊髄梗塞、脊髄炎、椎間板ヘルニアなど

治療方法

けいれん発作の原因は、内臓機能などに問題がある場合と、脳に炎症や腫瘍などの疾患がある場合があります。脳内の異常は、MRIなどの画像診断では見つからない場合があります。
麻痺は、様々な原因で脳や脊髄といった中枢神経、または末梢神経が傷害されて起こります。
原因となる疾患の治療と同時に、投薬によりけいれん発作や麻痺が起こりにくい状態にコントロールする必要があります。

具体的な症例

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できもの

具体的な症状

身体の表面にできものがある。
膿(うみ)のようなものが出ている。

疑われる病気

悪性腫瘍(がん)、良性腫瘍、血腫、嚢胞、膿瘍、皮膚炎など

治療方法

“できもの”には様々なものがあります。
また、腫瘤(腫瘍)は体表だけでなく、体内のどこにでもできる可能性があります。おなかの中や胸などに腫瘤ができた場合は、外からは見つけることができません。
胸の中で腫瘤が大きくなると、呼吸困難や吐出を引き起こすことがあります。
おなかの中の腫瘤では、食欲不振や嘔吐、血尿、貧血、虚脱など非特異的な様々な症状が出ます。
悪性・良性腫瘍や血腫、嚢胞、膿瘍であれば外科切除を行います。
膿瘍や皮膚炎の場合は、投薬治療を行います。

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頻尿、血尿、尿がオレンジ色

具体的な症状

頻繁におしっこをする。
尿意があるのにおしっこが出ていない。
おしっこに血が混じっている。血尿が出る。尿がオレンジ色に見える。

治療方法

泌尿器系の疾患の場合、血尿や頻尿の症状が多くみられます。
尿意があるのに尿が出ていない場合は、“尿が出せない”可能性があります。
この場合は緊急疾患の可能性もあるため、早急な受診をおすすめします。

疑われる病気

膀胱炎、膀胱結石、尿道結石、尿管結石、腎結石、尿道閉塞、尿管閉塞など

具体的な症例

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多飲多尿、おなかが膨らんでいる

具体的な症状

水をよく飲み、尿をたくさんする。
身体は太っていないのに、おなかが膨れている。
毛が抜ける(左右対称性、かゆみを伴わないなど)

疑われる病気

副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能亢進症、子宮蓄膿症

治療方法

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)や甲状腺機能低下症などのホルモン性疾患の場合は、内服治療を行います。
子宮蓄膿症の場合は、外科手術を行います。

具体的な症例

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妊娠・出産

具体的な症状

妊娠している。
なかなか出産しない。

疑われる病気

難産

治療方法

猫の妊娠期間はおよそ63〜67日で、妊娠初期(妊娠15日以降)にはエコー検査でおなかの赤ちゃんを確認します。
また、分娩直前の妊娠58日目頃にレントゲン検査を行い、赤ちゃんの頭数や大きさ、産道の広さを確認し、難産の予測をします。
難産が予測される場合やその他の問題がある場合には、計画的に帝王切開を行う場合もあります。
自然分娩の途中でも難産が疑われる場合(強い陣痛があり、赤ちゃんの一部が出かかっているが30分以上出てこない、陣痛が止まってお母さんの元気がないなど)は緊急の帝王切開を行う場合があります。

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体が熱い、熱がある

具体的な症状

咳、鼻水、くしゃみ、発熱など風邪のような症状がある。
結膜炎、嘔吐、下痢、麻痺やけいれんなど

疑われる病気

ヘルペスウイルス感染症、カリシウイルス感染症、パルボウイルス感染症、レプトスピラ症など

治療方法

犬・猫の体温は人よりも2℃ほど高く、37℃〜39℃が平熱です。
お尻で熱を測って、39℃以上だと熱があると判断します。
人と同じで、発熱する原因は様々なので、身体検査や血液検査などを行い、原因に沿った治療を行います。
感染症や自己免疫疾患、発作後などのことが多いです。

具体的な症例

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かゆがっている、脱毛している

具体的な症状

頻繁にかゆがっている。
出血している。かさぶたができている。
脱毛している。毛が薄くなっている。
ブツブツができている。皮膚が赤くなっている。
毛玉ができている。

疑われる病気

細菌性皮膚炎、マラセチア性皮膚炎、皮膚糸状菌症、毛包虫症、アレルギー性皮膚炎、リンパ腫、天疱瘡など

治療方法

皮膚のかゆみや脱毛は、皮膚の感染症(細菌や寄生虫によるもの)や内分泌疾患(ホルモンの病気)、腫瘍、肝疾患などの内臓の病気、免疫疾患など様々な原因があります。

具体的な症例

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