こんにちは。エルフペットクリニック院長の猪毛尾です。
今回は異物が原因の外耳炎についてお話しします。
耳の中に詰まってしまう異物の代表的なものが「ノギ」です。
「ノギ」はイネ科の植物の穂先にあるトゲ状の突起で、服に付いてなかなか取れなかったという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
犬や猫の場合は頭から藪の中に突っ込んでいくので、ノギが耳の中に入ってしまうことがあります。
ノギが耳に詰まると、痛みや痒みで頭をブルブル振り続けたり、痛がったりします。
先端が釣り針のかえしの様になっているので、皮膚に刺さると簡単に抜けないためです。
そのままにしておくと、耳の中の腫れが生じ、慢性外耳炎の原因にもなります。
耳鏡で耳の中をのぞき、鼓膜部分まで確認できれば、異物を発見することができます。
しかし、腫れていて痛がっている場合には、しっかりと検査ができません。
この動画は、内視鏡処置を撮影したものです。
初診時からノギの先端は見えていましたが、全体像は確認できていません。
全身麻酔下での内視鏡処置により、耳道内を確認しながらノギを摘出しました。
これが摘出したノギです。
とても長いものが出てきました。
拡大した写真がこちらです。
先端がかえしの様になってます。
このせいで、鉗子で引っ張ってもなかなか取れませんでしたが、摘出しなければ、外耳炎が治ることはありません。
ただの外耳炎だと思っていても、異物が原因になっていることもあります。
秋から冬にかけては特に注意が必要で、お散歩の時に藪などは避けた方が良いでしょう。
外耳炎など、気になる事があればお気軽にエルフペットクリニックまでご相談ください。