こんにちは。
エルフペットクリニック 院長の猪毛尾です。
心臓疾患(僧帽弁閉鎖不全症など)の治療中のワンちゃんやネコちゃんは多いのではないでしょうか?
今回は「心臓が悪いと言われたけど、家で何に注意したら良いでしょうか?」とよく質問を受けるので、注意点についてお伝えできればと思います。
心臓疾患と一口に言っても病気は様々ですが、
犬で多いのは「僧帽弁閉鎖不全症」、猫で多いのは「心筋症」です。
どちらの病気も「肺水腫」や「胸水貯留」を引き起こす可能性があります。
「肺水腫」になると、肺から心臓に戻ってきた血液が最初に入る部屋である、左心房の圧が上がることで結果的に肺に水が貯まります。
「胸水貯留」になると、胸腔内(肺の周りの空間)に水が貯まります。
正常な肺のレントゲン写真と比べると、肺や肺の周りが白く濁っているのがわかるかと思います。
「肺水腫」や「胸水貯留」もうまく呼吸ができなくなるため、息が荒くなり、チアノーゼ(舌の色が紫になる)を引き起こすこともあります。
そのため、日頃から安静時(寝ている時)の呼吸数を数えて把握しておきましょう。
一般的には、1分に40回以上呼吸していると、うまく呼吸ができなくなっている可能性があると言われます。
しかし、普段の呼吸数には個体差があります。
普段から呼吸回数に気をつけて観察していれば、「いつもは8回なのに今日は39回もしているからおかしい」と異常に早く気がつくことができます。
逆に「いつもは35回で今日は40回だからまだ大丈夫」と判断することもできます。
呼吸回数に異常がある場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
心臓病以外でも、肺水腫や胸水貯留を引きおこす疾患があります。
心臓病と診断されたことがなくても、呼吸に異常を感じたらすぐに動物病院を受診してください。
少しでも気になることがありましたら、お気軽にエルフペットクリニックまでご相談ください。