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外耳炎の治療(内視鏡)

手術について

2020.5.29

こんにちは。エルフペットクリニック院長の猪毛尾です。
気温が上がり、フィラリアやノミダニ予防での来院が多くなってきました。
その際に、身体検査でよく発見するのが「外耳炎」です。

外耳炎とは、外耳部分に炎症が起こり、痒みや痛みを引き起こす病気ですが、その原因は様々です。
ダックスやスコティッシュフォールドなど、垂れ耳のワンちゃん・猫ちゃんは、耳の中で細菌や真菌が繁殖しやすい状態となり、外耳炎のリスクが高いようです。

子犬や子猫でよくみられるのは、ミミダニという寄生虫による外耳炎で、真っ黒な耳垢が出るのが特徴です。
また、アレルギーによる痒みが原因で外耳炎になることもあります。
そして、異物や腫瘍などが耳の中に存在することで、外耳炎が引き起こされることもあります。

たれ耳の猫

先日、なかなか外耳炎が治らない猫ちゃんが来院しました。
最初は痛みが強く、しっかりと耳の中を見ることもできなかったので、痛みと炎症を抑える治療をしました。
痛みが落ち着いてから耳鏡という耳の中を観察する器具を使って確認すると、耳道に黒い構造物がありました。

異物もしくは腫瘍が疑われたので、CT検査と、構造物の一部を採取して病理組織検査をしました。

外耳炎のCT検査

検査の結果、類表皮嚢胞(るいひょうひのうほう)という良性のできものが疑われたので、内視鏡を使って除去しました。



その後、外耳炎はなくなり、新たな構造物の出現もありません。

耳の中に腫瘍や異物など、本来はない構造物があると、汚れが溜まりやすくなったり、構造物から分泌物がみられたりすることで外耳炎が起こります。
よくみられる外耳炎ですが、このように原因は様々なので、しっかりと診察し治療する必要があります。
特に、治療しているのになかなか治らない外耳炎は、複数の原因が絡み合っていることもあるので、注意が必要です。

たかが外耳炎とたかをくくらず、しっかり原因を探っていきたいと思います。

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