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猫の尿道閉塞

病気のこと

2019.7.3

こんにちは。エルフペットクリニック院長の猪毛尾です。
今回は、猫の「尿道閉塞」についてのお話です。

オス猫(特に去勢済みの体格の良い子)は、メス猫に比べて尿道が細いため、尿道が詰まっておしっこが出なくなることが多いと言われています。

尿道に詰まるのは、結石や栓子(膀胱内の沈殿物などが固まったもの)などが多く、元々「膀胱結石」や「膀胱炎」などの病気を患っていることが多いようです。

矢印で指している部分が尿道先端に詰まった尿道栓子です。

尿道栓子

「膀胱炎」の症状は、血尿や頻尿、トイレの失敗などですが、これは「尿道閉塞」でも見られる症状です。
「膀胱炎」と「尿道閉塞」の大きな違いは、おしっこが出せるか出せないかで、緊急性が全く異なります。

「膀胱炎」はおしっこが出ているので、残尿感で元気が無くなることもありますが、身体の状態は悪くありません。

しかし、「尿道閉塞」になると、おしっこが身体の外に出せないので、体内に毒素が溜まってしまいます。
そうなると、全身に影響が及んで「高窒素血症」や「高カリウム血症」となり、「尿毒症」で亡くなることもあります。

そのため「尿道閉塞」になった場合は、緊急処置が必要になります。
処置の目的は、おしっこを体外に出してやる事なので、まず尿道閉塞を解除(尿道の詰まりを除去)します。

解除にも様々な方法がありますが、麻酔なしで処置が可能な場合もあれば、麻酔が必要だったり、手術が必要な場合もあります。
おしっこが出れば、あとは身体の状態に合わせて、点滴等の処置を行なっていきます。

「尿道閉塞」は処置までの時間が早ければ、それだけ救命率も高くなります。
頻尿や血尿は膀胱炎だけではないので、早めの診察をお勧めします。

少しでも心配なことがあれば、お気軽にエルフペットクリニックにご相談ください。

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